2005年11月10日

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「春にして君を離れ」

春にして君を離れNHKの「名作平積み大作戦」で紹介されたのを見て「ぜひ読みたい」と思ってすぐ買ったくせに、1ヶ月以上放置してあった本です。著者はかのアガサ・クリスティ。

たまたま、NTTがBフレッツの工事に来ることになっていたので(ニューファミリー→ハイパーファミリーへの切り替え)、PCも使えないし、その間に読めるだけ読もう、と手を着けたら止まらなくなり、結局一気に読んでしまいました。

クリスティがわざわざ「メアリ・ウェストマコット」名義で発表したというノン推理小説です。でも、読んでみればやっぱりアガサ。

十代の頃、ポアロやマープルものはかなり読んだのに、この本は知りませんでした。でも、今まで読んだどのアガサより面白かったかも。

内容は、弁護士の夫との間に3人の子供を育て上げた裕福なイギリスの主婦が、娘の見舞いにバグダットに行った帰り、砂漠の真ん中で汽車が動かず足止めをくらい、その間に今までの人生を振り返る、というものです。それまで、優しい夫によくできた子供達、そして自分の完璧な主婦ぶりに満足しきって生活してきたはずなのに、実は…。

主人公のジョーンは実に思い込みの激しい、自己中心的な女性で、読んでいる間は結構イライラします。読んでいれば、この人が良いと思い込んでいることが、実はそうでないことは一目瞭然なわけですが…。

でもふと気づきました。この主人公にイライラする私は、まさにこの主人公そのものなのだ、ということに。本当に、人間なら日常普通に陥りそうな「自己満足の罠」が、リアルに描かれていると感じました。

「平積み大作戦」で思わせぶりに振られた、エピローグの「夫の独白」は、予想通りと言えば予想通りでしたが、自分の夫がこんな風に考えていたらどうしよう、とちょっと怖くなりました。

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