2005年5月31日

追悼・二子山親方~そして今後の大相撲のこと

昨日は「二子山親方死去」のニュースに、深夜から今朝にかけて、ネットのニュース、テレビとチェックしまくりでした。

前夫人との離婚後は、あまり公の場に姿を見せなかった親方。こんなに早く亡くなってしまうなんて思いませんでした。本当に残念です。

先程も今朝のスーパーモーニングを録画しておいたものを見て、昔を懐かしんだり、コメンテーターの方々の話にうなずいたり。ある意味「人生一区切りついた」って感じかもしれません。

今回久しぶりに「貴ノ花」時代の相撲を何番か見たのですが、毎場所テレビに釘付けになって応援した頃をまざまざと思い出しました。

私が記憶に残っている最初の大相撲中継は、大鵬の32回目の優勝の表彰式だったと思います。当時は「32回」のすごさが実感としてわからなかったのですが、「この人はすごく強いらしい」ことはわかりました。その大鵬がそれから程なく、若くて細身の新人力士に敗れ、引退しました。

私の両親はその新人力士にえらく肩入れしていました。「若乃花の弟」。両親にとってはそういう存在だったようです。そして、両親と共にその相撲を見ていた私は、いつしかその新人力士「貴ノ花」に夢中になっていました。

細い体で高見山や輪島、北の富士など、自分より大きな相手に真っ向勝負を挑み、土俵際、驚異の粘り腰で何度も逆転し「土俵際の魔術師」と言われた頃。輪島と大関同時昇進を果たした躍進時代。無敵の横綱、北の湖も登場して、輪島、北の湖、後輩の二代目若乃花といった強い横綱に囲まれ、なかなか優勝に手が届かなかった頃。そして、今回何度も流れた、あの初優勝。ちょうど、日本サッカーが初めてワールドカップの出場権を取った時くらい、日本中が興奮したのではなかったでしょうか。私自身、あの時の興奮を思い出しただけで鳥肌が立ちます。その時、その瞬間まで「貴ノ花は一生優勝できないのでは?」と危惧していたので。

その後、ケガや病気でなかなかコンスタントに二桁勝てず「クンロク大関」とバカにされながら、決して陥落することなく、50場所もの長い間、大関として、スターとして土俵に上がり続けました。引退を聞いたときの喪失感も、また忘れられません。

大鵬から受け継いだ「看板」のバトンは、千代の富士に継がれ、そして、そのバトンは「貴ノ花」の息子、貴花田そして若花田の二人に引き継がれていきました。でも、だんだん相撲界は大型化し、相撲も大味になり、若乃花が引退する頃には、私自身かなり興味を失っており、相撲人気そのものも下降していきました。そして、貴乃花は千代の富士から受け継いだバトンを、きちんと次に渡すことなく、引退してしまいました。

今回貴ノ花の現役時代の相撲を見ると、名勝負ばかりということもありますが、今見ても面白く、興奮させられます。力と力のぶつかり合い。柔らかい足腰で何度も攻めをしのぎ、体を浴びせられても、投げられても、最後まで勝負を諦めない、その姿勢は見ていて力が入ります。若・貴に人気があったのも、例の「確執騒動」の頃までは父譲りの「最後まで諦めない」相撲をとっていたからで、その背景には「猛稽古」があったからに違いありません。

翻って最近の大相撲。こういう勝負を場所中に何番見られるでしょうか。「クンロク」どころか、コンスタントに勝ち越しすらおぼつかない大関陣。強いけれども、何かが足りない横綱…。(先日初めて朝青龍の土俵入りをきちんと見たのですが…。美しくないことに驚きました。せり上がりで拍手ひとつ起こらない土俵入りってどうなんでしょう。こんな土俵入りしか見られない今の相撲ファンが気の毒でなりません)。

今日竜虎さんのお話で印象に残ったのは「最近の力士はすぐに引く。引かれてバタっと落ちるのは、稽古が足りないから。昔は、引くと押されるから、絶対に引くなと言われたのに。引いて勝つのは勝負に勝っても相撲に負けているのだから、引き落としで全勝優勝しても横綱にはなれません。」ということ。「結果が全て」のスポーツと相撲の違いはそこなのだと思います。

かつて小錦が横綱になれなかったことを、本人も含めて「人種差別」と言っていたのを聞いたことがありますが、それは違うと思います。小錦は四股がまともに踏めませんでした。たぶん片足であの体重を支えるのは無理だったのでしょう。四股が踏めなかったら、土俵入り、できませんよね。それだけをとっても、横綱になる資格はなかったのだと、今でも思います。それが横綱。それが大相撲。

でも、今の時代に、そういう相撲を求めるのが間違っているのかもしれません。今の横綱は「強いんだから何をやってもいいだろう」みたいな感じが、私は好きになれません。子供は夢中ですが。

二子山親方と共に、私の中の「古き良き時代の大相撲」は逝ってしまったのでしょう。これからの大相撲がどうなっていくのか、息子と一緒に、少し醒めた目で見ていこうと思います。

親方、本当におつかれさまでした。長い間、楽しませてくださってありがとうございました。どうぞ、ゆっくり休んでください。合掌。

人気ブログランキング

コメント(2)

こんにちは。
貴ノ花は、わたしも大好きなお相撲さんでした。今でもわたしにとっての「タカノハナ」は貴乃花親方ではなく、おとうさんの二子山親方でした。残念でショックで、実はテレビも新聞もちゃんと目を通していなかったりします。
今夜、「貴ノ花」が引退した直後に放送されたNHK特集(?)の再放送があるようです。とりあえず録画はするけど、当分見る気持ちになれないかもしれません。

「さよなら名大関貴ノ花」(NHK総合・1日午後11時15分~)

Posted-by KEIKO :2005年6月 1日 08:00

KEIKOさん、やっぱり私たちの世代の「スター」は貴ノ花ですね。

KEIKOさんの「新聞もテレビも見る気になれない」というのも、私とは別のファンの形ですね。とてもよくわかります。私の場合は「今見ないともう機会はない」という感じで貪るように見ていますけど。

NHKの番組情報、ありがとうございます。
時間があったら録画してみます。そういう番組があるんじゃないかとちょっと期待していたので…。それこそ完全保存版かも。

Posted-by かれん :2005年6月 1日 08:25

コメントする

※コメントについて
どなたでもコメントいただけますが、スパム防止のため、メールアドレスを必須とさせていただいています。(ダミー可)
cookie取得が不調のため、サインインしていただけると幸いです。各種IDをお持ちでなくても、このブログに登録することができます。(「サインイン」を選んで「サインアップ」してください。)
なお、サインインしてもお名前等入力欄が表示されますが、空欄にしておいてください。